この関係性を知ってる人は今はもうあまりいない

「17時に行くね！」

って言われて17時に本当に来た

僕は時間通りだった事に驚いた

ちゃんと時間通りに来たのはこの方

たぶん今はもう僕とこの方の関係性を知っている人はあまりいないと思う

このツーショットに驚くのはうちの親ぐらいだと思う

僕にすべてを教えてくれた人だ

あれは20歳の頃

就職したサロンにはじめて行く日

僕はそういう日は絶対に遅れたくないのだ

30分前には着いた

逆に迷惑だと思う

誰よりもはやかったのだ

間も無くして赤いスポーツカーが店に入ってきた

ド派手な服にサングラスの女性

その店の店長だった

当時はホームページなどなくサロンの面接はオーナーだったからどんなスタッフが何人くるのかもわからない

どんどんスタッフが集まってくる

そして最後に来たのが

鈴木さんだ

チーフだった

チーフは遅刻してもいいかと思ったらダメだった

普通に遅刻だった

僕が働き出したお店はアシスタントがコロコロ変わらないようにユニット制だった

スタイリスト、ジュニアスタイリスト、アシスタントの3人で1チームだった

僕は鈴木さんチームのアシスタントになった

当時、ギャルみたいなスタイリストの鈴木さんのお客様はギャルとか夜のお仕事の方が多かった

僕はそんな方たちのシャンプーをしたりカラーをしたりした

うちの家族もみんな鈴木さんに担当してもらった

うちの母は今でも

「今日は10円玉の色に髪をしますね！」

って鈴木さんにお金で例えられた事を笑いながら話す

遅刻するしギャルだし適当な例えをする人だった

それから新店舗をオープンするときに僕は鈴木さんのメインアシスタントとして一緒に移動する事になった

その頃には僕もジュニアスタイリストになっていた

ただ新店舗にうつるときに誰が店長をやるかの話し合いのときに僕だけ鈴木さんが店長になる事に反対したのだ

メインアシスタントが反対したのだ

「遅刻する人は店長にふさわしくない！」

クソ生意気だったとは思う

でもそれが言えるような関係性だった

それから鈴木さんがその店をやめるまでメインアシスタントとしてついていた

そしてやめるときに僕は本店に移動になってスタイリストになった

ということは僕がアシスタントだった頃にずっとつかさせていただいていた人なのだ

でもこの時代の僕を知っているAssureのお客様はいないと思う

僕から言わせてもらえばめっちゃ懐かしい組み合わせなのである

毎日、くっついていた人なのである

あれから20年近くたつ

3年に一度ぐらい連絡がある

大体

「木戸くんとこってエクステやってる？」

って連絡がくるのだ

毎回

「やってません」

って答える

最後の連絡は僕がハワイにいた日

「木戸くんとこってエクステやってる？」

って連絡がきた

いい加減、覚えろよ！！！

って思いながら

「アロハ！」

って返事した

そして最近、また連絡が来た

3年ぶりだ

エクステやってる？ではなかった

「名古屋に引っ越すから担当のお客様の引き継ぎをお願い！」

だった

そしてその話をしに寄ってくれた

17時に来るって言って17時に来たのだ

ちゃんと時間が守れるようになって偉くなったね！！！

そしてフルーツ大福をくださった

楽しみに開けたら

全部、イチゴだった

ただのイチゴ大福じゃねぇかよ！！！

そんな感じで鈴木さんの担当のお客様

しっかりとさせていただきますので安心してご来店ください

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