僕が消えた。
母が言った
「おばあちゃん、もう大紀の事、覚えてないよ」
うちの祖母
うちの母の母
お店の近所に住んでいて5年ぐらい前までは週に1度
日曜日の朝1番の9時にシャンプーブローでお店に歩いてきてくれていた
うちの祖母の足で30分ぐらいだと思う
「週1度の運動!」
って言いながら歩いてきてくれていた
道も危険ではないし夏の暑い日でも日陰の多い道
でもある暑い日、祖母が帰ってしばらく経ったあとに近所のホームセンターみたいなところから電話があった
「おばあ様が熱中症のようで動けないでいます」
祖母は帰りに家とは逆方向のお店に寄って熱中症になった
急いで迎えに行った
それから外出が怖くなった祖母はあまりお店には来なくなった
そうすると自ずと週1回は会っていた祖母とはなかなか会う機会はなくなっていった
それからも祖母の様子はカットに来てくれたとき
お盆とか正月
そういうときは目にしたり母に様子は聞いたりして知っていた
骨折して入院したのも知っていた
退院したのも知っていた
最近もまた入院したのを聞いた
病気とかではなくリハビリ入院
そして日曜に祖父から電話があった
「今からばぁさんの髪、できんか?」
お店は満席で断わった
後日、母がお見舞いに行ったら髪が整っていたようだ
誰か他の人に切ってもらったらしい
母は聞いたらしい
「大紀に切ってもらったの?」
そしたらわからないような顔をしてたみたいだ
「大紀ってわからない?私の息子だよ」
そしたら
「わからんなぁ」
って
祖母の記憶の中から僕が消えた
小さい頃から別に一緒に住んでいたわけではない
駄菓子屋をやっていて行けばお菓子をくれる
高校1年生の時は学校がつまらなくて仲間がつまらなくて誰と帰りに遊ぶわけでもなく祖母の家に毎日、寄っていた
毎日、好きでもなかったけどコーヒーを出してくれた
そこからコーヒーが飲めるようになった
そんな思い出も祖母の中からシャボン玉がはじけるように消えたんだと思う
人には記憶のメモリーの容量があると思う
その容量は年を重ねるごとに減っていくと思う
僕も今、楽しかった思い出
苦しかった思い出
大切な人の思い出
こういうもの沢山、残っている
でもそれが年を重ねるごとにシャボン玉のように消えていくのかもしれない
そして僕も誰かの記憶から消えていくのかもしれない
その日まで僕は笑顔のシャボン玉でいっぱいにしよう
そして僕はそれを大切に消えないように生きていこう
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KIDO DAIKI
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