逆にサプライズ的な

「お世話になりました」

あるお客様がこんな事を言ってきた

小学生の頃から知っているお客様

今は結婚して広島に住んでいる

そして出産の為に里帰りしていた

年齢は会うたびに聞いているが忘れてしまう

たぶん２３歳～２８歳ぐらいだったと思う

山ピーのストライクゾーンばりの幅があることを許してほしい

５ヶ月ぐらいこっちにいたのかな？？

高校生の時ぶりぐらいに高頻度で会う事ができた

最後の日にこんな相談をされたのだ

「こっちにいた時にお世話になった家族に何かプレゼントをしたい」

家族の皆さんもみんなお店に来てくれる

お母さんなんかはお店に来ると娘の話７割、ワンちゃんの話２割、仕事の話１割で話してくれる

だから僕は広島にいたって全てを知っているのだ

もっと若い頃には彼氏が出来るたびにその人の家に引っ越していたから『ヤドカリ』と呼ばれていた事も知っている

おっと

間違えた

そう呼んでいたのは僕だけだ

そんな子からお世話になったお返しの相談を受けた

こんな事を考える大人になったんだ・・・って泣いた

おっと

泣いてはない

そして最終的に

「ヘッドスパをしてほしい」

ってお願いされたのだ

これはやるしかない

僕の美容師人生の集大成のスパだ

もうそれからの日々はスパの事しか考えれなくなった

寝ても覚めてもスパだ

最終的に菱田さんが

「スーパーに行ってきます」

って言った時に

「スパ！スパ！うるせぇよ！！！！！」

って言ってしまって目が覚めた

おかしくなっていたのだ

ノイローゼになるかと思った

そしてお兄ちゃんの予約が入ったのだ

これはサプライズなのだ

どんな言い方をすればいいんだろう・・・

僕が手紙でも書こうか？

ダメだ

僕は里帰ってもないし何なら家族でもない

あくまで僕はモブだ

しゃしゃり出てはダメなんだ

演劇でいうなら小道具だ

よりフラットにしなければならない

考えていた

「実は最後にみえられたときにお礼がしたいって言われて本日はお願いされたヘッドスパをしたいと思います。お時間、大丈夫ですか？」

これだ

これしかない

そして入ってこられた

僕は

「実は・・・」

って言ったらそれにかぶせるようにして

「聞いてます！」

って言われたのだ

待て待て待て待て

サプライズじゃないのかよ！！！！！！！！！！！！！！！！

めちゃ恥ずかしかった

横で聞いていた菱田さんにも

「実は・・・とかサプライズっぽく言っちゃって木戸さん、恥ずかしかったね。」

って言われた

とんだ置き土産だぜ・・・

まぁ来年あたりにまた待ってます

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