神様を見る
すべてはこれからはじまった・・・
数週間前にインスタのストーリーを見ると暇そうにしている奴がいたのだ
そして僕はこの子の好きなものを知っていた
この子はイヌの名前をメルモにしているし病んでいる時はアイコンがピノコに変わるのだ
たぶん手塚治虫が好きなのだ
前にそんな予感がしたので
「この前、ブラックジャック読んだよ」
って話したら想像の2.5倍のテンションになった
なのでこんな連絡をしたのだ
そうなのだ
僕に対してはいつもこうなのだ
まるで害虫でも扱うような態度をとる
この相手は“あぴ”だ
もうサロモは辞めちゃったのかな??
今はなんか夢の為に勉強を頑張ってらっしゃってる
害虫を扱うような態度だったのに手塚治虫展と見た途端に
一気にテンションが上がった
これだ
これがあぴなのだ
そして僕が手塚治虫を好きか嫌いなんて関係なく誘ってくる
これだ
これがあぴなのだ
やばいのだ
この手塚治虫展というのは全国で一箇所やっているらしい
今回は豊橋
前に茨城かどっかでやっているときに1人で行こうとしたらしいのだ
豊橋に美術館があるというのを知らない人は多いと思う
あるのだ
僕は昔、近所に住んでいて小さい頃はよく母が手を繋いで歩いて連れて行ってくれた
ある時、その美術館にある池を眺めていた
そこに大きなカエルの置物があったのだ
「大きいねぇ」
母は言った
そしたらその瞬間に置物だと思っていたカエルがこっちに跳んできたのだ
母は僕の手を振りほどいて逃げていった
あれは僕が3歳ぐらい・・・
あれが僕のトラウマになって今でもカエルが苦手なのだ
そんな思い出がつまった場所
あぴにも色々と案内してあげようと思った
また僕は害虫に戻った
このあぴというのは僕の中で有能な人物だ
今まで僕もSNSで人に嫌な思いをさせた事もあるしした事もある
だから一応は気を遣うのだ
「SNSに載せないから安心してね」
って言ってからどこかに行く事は多い
でも全国で3人、僕の中でオッケーな人間がいる
銀座の豹
南町田の松
そして愛知のあぴだ
ほら
先に言ってきてくれるのだ
まったくSNSに対して気を遣わなくていいのだ
さてさて当日
なんか僕はいつもより早く目が覚めた
なんかあぴが本当に嬉しそうにしていたからこっちもテンションが上がってしまったのだ
なんならちょっと楽しみになっていた
しかし
立場が逆転したのだ
なんか僕がお願いして行くみたいになってしまった
なんかしょうがないからついて行ってやる風なのだ
僕はやる事がなさすぎて神様を見に行くための正装ジャケットまで買いに行ってしまった
そして遅れてきたあぴを駅まで迎えに行き美術館に向かった
朝から小雨が降っていた
僕は傘が邪魔くさかったので持っていかなかった
なんならあぴが持っていたので入れてもらおうと思っていた
しかし
あぴちゃん、あぴちゃん
待って、待って
僕、濡れてるよ
あぴちゃん、あぴちゃん
待って、待って
僕、ここにいるよ
もう完全に僕の存在を忘れているのだ
完全なガチだったのだ
僕はあぴは自分込みの写真を撮りたいだけだと思っていた
ワンピースが好きとか鬼滅が好きって口では言っているけどそれを好きって言っている自分がかわいいでしょ??っていうタイプかもしれないと心の奥では思っていたのだ
でもガチだったのだ
もう自分の世界なのだ
僕の存在が無になっているのだ
一度だけ僕の存在を認知してくれた瞬間があった
チケットを買うときだ
「ありがとうございます」
って言ったのだ
これだけ聞けば礼儀正しい子だと思うかもしれない
でも違うのだ
ラリーがないのだ
「出さなくていいよ」
って僕が言ったら
「ありがとうございます」
が正解だ
僕は何も言ってないのだ
いや、出すつもりではいた
朝から考えていた事もあったのだ
ツイッターで見たのだ
女子がときめいたラリーを見たのだ
こういう場合に自分もお金を出そうとしたら
「かわいい子は無料なんだって」
って言って男性が出してくれた時にときめいたって見たのだ
やろうとしていたのだ
それが
「ありがとうございます」
って先に言ってきやがったのだ
全然、かわいくない
しかも僕の存在が認知されたのはそこだけなのだ
そこからは
あぴちゃん、あぴちゃん
僕、それを撮ろうとしてたのね
ナチュラルに前に立ったよね
美術館というのは本当に静かだ
しかも手塚治虫
平均年齢がめっちゃ高いのだ
5年後に今いるメンバーで同窓会をやったら僕とあぴしか参加できないレベルのなのだ
だから一応は写真がオッケーな場所があるけど写真を撮っている人なんていない
みんな心のフォルダに入れるお年頃の人なのだ
その中で
これができるあぴはすごい
お願いすれば何でもやってくれるのだ
このすごさはあそこに行かないとわからないと思う
平均年齢が高いので大人な世界なのだ
本当にみんな静かに見ている
その中でお願いすればこうだ
誰もやっていない
しかも写真を撮ってはいけない場所で撮らないように警備員もいる
無表情の警備員が目の前に座っているのだ
作品は撮れないのだ
このように少しだけフォトスポットがある
でも撮ってる人なんて皆無
大人は作品にしか興味がないのだ
その中でやっているのだ
半端ないのだ
たぶんこれをやったのは世界であぴだけだと思う
でも本当に僕はこの子をなめていた
ガチすぎるのだ
僕の感覚ではこの子は好き嫌いがはっきりしている
僕に対してだけかもしれないけど興味がない事にはまったく興味がないのだ
興味がないであろう会話をしようものなら返事だけしてスマホをいじっている
まったく社交辞令的に会話を広げようとしないのだ
その中で僕が特に思っていたのは“小さい子供をあまりかわいいと思っていない”
これなのだ
小さい子をかわいいって思っている自分ってかわいいでしょ??
これをやらないのだ
いや、起用だからやろうと思えばできると思う
でもやらない
それぐらい小さい子を何とも思わないのだ
でも耳を疑う場面があった
小さな声で聞こえたのだ
「かわいい・・・」
子供の頃の手塚治虫の写真を見たときだ
嘘つけよ!!!!!!!!!!!!!
中の下の子供だわ!!!!!!!!!!!!
もう手塚治虫愛が半端ないのだ
僕は正直、半分以上がわからなかった
でも生原画は感動した
これを神様が描いたんだ・・・って感動した
絶対に言っちゃいけない言葉だけど
「めっちゃ絵がうまかった」
そして帰りには手塚治虫を“先生”と呼んでいた
でも本当に少し感動した
そしてあぴのガチさ加減もわかった
グッズだって買わない
だってグッズが好きなわけでなくて作品が好きなんだから
でもせっかくなのであぴが大好きなブラックジャックのキーホルダーを買ってあげた
すぐに家の鍵に付けていた
いや、めっちゃダセェだろ!!!!!!!!!!!!!!
そしてあぴがググったカフェに行った
めっちゃオシャレだったけどここも静かだった
静かな美術館から静かなカフェ
もう僕は自分本来の声のボリュームを忘れてしまう1日になった
カフェではちゃんとインスタっぽい写真を撮っていた
頑張ってフォロワーが僕みたいに1000人を越えるといいね!!!!って思ったらもう50000人近くいた
すごい奴だった
あぴのインスタはこちら
さぁ僕がカフェなどでノイローゼになるぐらい撮らされた写真はアップされるのであろうか・・・
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KIDO DAIKI
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