なめられたら終わりのこの世界
僕たち美容師というものはいつも戦っている
自分はすごいという事を見せ付けないといけないのだ
それは特にディーラーに対してだ
ディーラーというのは僕たち美容師に商品を売ってくれる人たちの事だ
だから色んなサロンに行き色んな情報をもっている
そして口が軽い人なんかは絶対によそのサロンの事を言っていると思うのだ
「あそこいつも暇ですよ・・・」
なんて言われている可能性もある
それだけは絶対にダメなのだ
だから僕はどんなに手があいていてもディーラーからの電話は5コールはとらない
とった時もハァハァ言うようにしている
きっとディーラーさんはめっちゃ忙しいかめっちゃ変態かどちらかだと僕を思っているに違いない
でもなめられたらいけないのだ
最近も新しいディーラーさんとお付き合いを始めた
でもまだ僕の事を知らないこのディーラーさんはなめているような気がするのだ
新しい商品を紹介したあとに
「いくつ注文します?」
みたいな感じなのだ
いやいや、そんなすぐに決めん!!!!!!!!!!!
もう始めが重要なのだ
一発かまさないといけないのだ
まず僕たちも使ってよかった商品を扱う事にした
これがやはり使ったお客様も気に入って最初に入荷したぶんがすぐになくなったのだ
ディーラーさんに
「すごいですね!!!」
って言われたのだ
でも2回目を入荷してすぐにそのディーラーさんが来たのだ
そんなすぐにまた売れない
「どうです?」
って聞いてこられたのだ
これは2回目の入荷ぶんはまだあるなんて言ったらなめられてしまう
僕はそれに答えずに方向を変えた
「美容師さんに売れたんです」
ここで友の美容師を僕のファンのように見せるのだ
完全に友を売るのだ
全然、知らない美容師に売れたみたいにするのだ
そして僕はユーチューブもやっている美容師って見せるのだ
「僕、ユーチューブやってるんですよ。アフロート名古屋のタケさんって知ってます?アフロート名古屋の代表です。ユーレルムのケースケさんって知ってます?最近、本を出した。3人でやってるんですよ。」
これだ
これでなめられないのだ
でも嘘ではない
過去にやっているのだ
お2人は黒歴史になっているがまだ僕は使うのだ
まだやっているみたいに言う事に恥ずかしさはまったくない
だってなめられたくないから
そしたらこんな質問もされた
「カラーってどのメーカーのを使ってるんです?」
この答えも重要だ
「どれって言われると沢山使っているんでしぼれないですけどスロウとかです」
まずどれでも対応できるしメーカーよりも木戸が塗る事に意味があるって感じにするのだ
でもここでまんまとのってくるのだ
「なんでスロウを使っているんですか?」
もう狙い通りの質問がきた
「エアーのキムさんの繋がりです」
これだ
これでなめられないのだ
でも嘘ではない
会えばペコって頭をさげるぐらいの関係性はある
木村さんの後輩の豹さんと仲がいいから繋がりという表現も嘘ではない
そして木村さんが自分の知らないところで僕がキムさんって呼んでいる事なんて本人にバレるはずがない
木村さんをキムさんということによって仲よさそう度が増すのだ
僕が誰をどう呼ぼうが勝手なのだ
そしてディーラーさんは関係性を調べようがないのだ
そして次がきた
「ミルボンって使ってないですか?」
これもシメシメの質問だ
「あっ。ミルボンから取材は受けた事はありますよ」
これだ
これでなめられないのだ
でも嘘ではない
僕はミルボン史に残る黒歴史インタビューを受けているのだ
ミルボンのインタビューを受けながらデミのシャンプーで自分の頭をシャンプーする
当時、担当してくれた方はジャングルの奥地に飛ばされこの記事もなかったかのように消えている
でも受けてはいるのだ
どれも嘘ではないのだ
ディーラーさんは
「これからもよろしくお願いします」
と深々と頭をさげて帰っていった
僕の完勝なのだ
過去の積み重ねが今の自分を作るのだ
全部を恥ずかしげもなく言えるのが僕だ
この自信に溢れた姿が僕なのだ
恥ずかしくなんてないからね!!!!!!!!!!!!!
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KIDO DAIKI
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