君の名は？？

GWがあけてからというものお店は完全に暇だ

もうコロナのせいにしてしまいたいほど暇だ

僕に人気がないわけでない

コロナが悪いのだ

でもこのまま暇でいたら人生を無駄にしてしまう

でもやる事はない

やる事がなさすぎて空を見上げていた

そしたらとんでもない事に気付いてしまったのだ

お店の窓から空を見上げた

そしたらびっくりしたのだ

網戸、ボロボロじゃねぇか！！！

今まで気付かなかったのだ

今年でお店をはじめて9年

一度も網戸をかえていなかったらこんなになっていたのだ

こんなの普通に蚊が入るのだ

ほぼこれだと外なのだ

全盛期のゆきぽよの家並みに出入りが自由だったのだ

これはまずい・・・

僕は網戸を貼り替える事にした

セルフでやろうと考えたのだ

遠い昔に母親が家の網戸を貼り替えていた記憶があるのだ

うちは父親はまったく家の事をやらない

たぶん関白宣言はさだまさしがうちの父親のために書き下ろした曲だと思う

人生で唯一、家の事をやったのが網戸の貼り替えのアシスタントだったのだ

父親が古い網戸を切る

母親が貼り替える

これが最初で最後のうちの両親の共同作業になったのだ

どんだけ張り替えても終わらないから父親のほうを母親が見たらせっせと今自分が貼り替えた新品の網戸も切っていたのだ

ドリフかよ！！！

永遠に一枚から進まなかったのだ

そんな思い出のある網戸貼り替え

ということはセルフでもうちの父親さえアシスタントでいなければできるのだ

きっと家にもその時に使った道具があるはずなのだ

うちの母親はなんでもとっておくのだ

前に渡された袋が高校の時の彼女がプレゼントを入れてくれた袋だったのには震えた

20年前のものだったのだ

だから絶対に道具があるのだ

案の定、工具箱の中から貼り替えの道具が出てきた

そして工具箱の中からすごいものが出てきたのだ

めっちゃ笑った

「なんでこんなのあるんだよ！！！」

こうやって言ったら

「私、なんでも捨てれんじゃん」

って言われた

捨てれないにしてもこれは驚いた

皆さんはこいつをご存知だろうか？？

自転車で2人乗りをするためのやつである

高校生なんかはこれで彼女を後ろに乗せるのが唯一の夢になるのだ

特にギャルは2人乗りが大好物だったのだ

ただ高2ぐらいになるとギャルは車に走るのだ

車を持っている彼氏を持つ事が一種のステイタスになってしまう

だから免許のない男子は車持ちの男子にこの棒で対抗するしかないのだ

ギャルを手に入れるための唯一の武器なのだ

ただ僕は売っているところを見た事がないのだ

たぶん神様が10本だけこの世界に産み落とした棒なのだ

それをみんなでパクりパクられあうのだ

朝はついていたのに夜にはなくなってるなんてザラだ

奪い返すのだ

戦争だ

ただ仕方ない

世の中には10本しかないのだ

ただきっとこいつには正式名称がないのだ

僕はこいつに正式名称を与えてあげたいのだ

全国共通の名前をつけてあげたいのだ

まずインスタのストーリーで聞いてみた

『けつぼう』

いやいや、ちょっと下ネタかよ！！！

『ハブ』

高校の時、みんな言ってたよね

意味不明だよね

『とんぼ』

魔女の宅急便？？

長渕？？

『ギア芯』

うそつけよ！！！

バイクが納車されないから引っ張られてるだろ！！！

まだまだ沢山、呼び方があった

このようにみんなバラバラなのだ

でも仕方ない

これって売ってるわけじゃなくて神様が産み落としたやつだから

ここで僕が呼んでいた呼び方で完璧に用途までわかる呼び方を正解にしようと思う

『にけつぼう』

これが僕が呼んでた呼び方で正解だ

これを全国共通の呼び方にしようと思う

そして神様・・・

世の中に10個だけ産み落とした『にけつぼう』の1個はうちのトモコが大事に工具箱に入れてます

残りは9個です

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