もう1つの未来のカタチを『木戸』という
朝、菱田さんがこんな事を言い出した
「なんか懐かしい感じがしたんだよね」
なんか僕の事を見て言っている
僕の緑の服を見ながら言っている
「その色って私の小学校の時の体操服の色!!!!」
なかなかの「で?」って答えるしかない会話だ
そんな感じでお店の朝は始まった
暑い朝
急に菱田さんが言った
「今日の教室って暑いね」
待て待て待て
小学校にひっぱられてんじゃねぇ!!!!!!!!!!
これが菱田さんだ
考えている事が口に出るのが菱田さんだ
お店の外で
「美味しそうな匂い!!!今日は肉じゃがだな!!!」
とかも普通に言う
お隣さんに聞こえる!!!!!!って僕は焦る
考えている事が口に出るのが菱田さんだ
こんな菱田さんがこんな事を言ってきた
「木戸さんって後輩に怒った事とかあるの??」
そういえばなかったような気がする
だから僕はあまり後輩の事を覚えていないし後輩も僕の事をあまり覚えていないと思う
そんな中で後輩が先日、お店に来てくれた
正直、僕はスタイリストになってから入ってきた子で直属の先輩ではない
後輩の後輩の後輩ぐらいの間柄
ほとんど接点どころかそんなに話した事もなかった
でも言われたのだ
「木戸さんって本当にお店の食事会とか集まりとかに来てなかったですよね」
僕はまったくそういうのに参加していなかった
そういった行動って後輩は見ているものだ
僕は優しい先輩ではなく自分の事しか考えてなかったと思う
後輩に嫌われたくないから怒らない
「楽しければいいじゃん」
っていうのを逃げの材料にしていたと思う
本当に優しくない先輩だ
僕は当時勤めていたお店に入っていた心理カウンセラーの先生によく
「あなたは自分を俯瞰(ふかん)で見すぎる」
って言われていた
周りの目ばかりを気にしていたのだ
でもそれは結果として自分の事しか考えておらず自分の記憶にも相手の記憶にも残らない人間を作り出していたのである
そしてその後輩に言われた
「木戸さんって結婚しないんです?結婚っていいですよ!」
この部分では後輩と先輩が逆転してしまった
その時は笑って誤魔化したけど理由はある
最近、よくこの質問をされるが理由はあるのだ
「1人の時間が必要」
これなのだ
ずっと誰かと一緒にいる事は僕には無理なのだ
「ずっと一緒にいよう」
なんてどこかの誰かが作るような曲のフレーズにあるような事を僕は思わないのだ
これは小さい頃からある
僕は小さい頃に一時期、学校に行きたくない時期があったのだ
いじめがあったわけではない
勉強ができなかったわけでない
きっと当時の僕を知っている友達は登校拒否ぎみだったなんて信じないと思う
学校では明るく元気な子だったと思う
でもダメだったのだ
みんなの目がこわくなってしまったのだ
「みんな僕を見ている・・・」
僕は小さい頃から自分を俯瞰で見る癖があった
教室を上から見る感覚
自分は今、どうするべきか??
誰かに嫌われてないか??
これを客観的に見てしまう
だから疲れていたのだ
だから1人の時間は必要だったのだ
今でもそう思う
そんな話をお客様としていた
そしたら
「すごいわかります!自分もそうですし木戸さんにそんな感じはしていました!」
って言われたのだ
そしてその話ですごく盛り上がった
お互いに会話をする前にゴールまでできているのだ
例えばLINEなんかでも返信がないのに返ってくるであろう返信を自分で考えていて1個先の返信ができるのだ
これを言うとすごく自分勝手で自己中に思えるかもしれないけど本当にそれはある
だから自分が考えている事とまったく違う返信をする子に面白さを感じる事もある
そして完全に友達などでは好き嫌いがはっきりしている
好きな子の事はとことん好きだし嫌いな子の事はとことん嫌い
この部分だけは最近は出せれるようになったけど昔はここも俯瞰で見ていたからできなかった
今でも「好き」って言えたり「嫌い」って言えたり「かわいい」って言えたり「すごい」って言える人を羨ましく思う
嫌われない為に言えないのだ
そのお客様もそんな感じだった
そしてそのお客様は言った
「菱田さんって真逆ですよね」
その通りなのだ
会話をしていてこっちが構える事をしなくていいのだ
「たぶん一緒に働いている人が自分みたいな人だったら疲れますよね。かといって菱田さんが2人でも成り立たない。」
本当にそうだと思う
俯瞰で見ていない菱田さんはどんな時でも同じ菱田さんなのだ
仕事でもプライベートでも1人の時も変わらない
そのお客様は1時間以上かけて月に一度、何年も通っていただいている
「1人の時間が必要なんでその時間がとても重要なんです」
って言っていた
すごくわかる
そしてはじめて教えてくださった事があった
「実は同じ業界で働いていた事があったんです」
何年も来ていただいているけどはじめて聞いた話だった
「でも手が荒れてしまったできなくなったんです」
っておっしゃった
今ではだいぶそういうのも減ってきたが数年前まではそれが理由でやめる人は多かった
「だから木戸さんを見ていると自分が続けていたらこうなっていたのかな?って思うんです」
って言われた
そうです
もう1つの未来のカタチの木戸です
僕はたまたま手が荒れなくて続けれた美容師
なんか本当にそう言ってくださる関係になれた事を嬉しく感じた
なにが正解なのかわからない中でもがいてきたつもり
でもまだ僕が物事を客観的に見ている癖は抜けていないし見抜く方は見抜く
それはもしかしたら美容師としては欠点なのかもしれない
プレッシャーに押し潰されそうな日も今でも正直ある
こんな仕事をしてても1人になりたい時もある
菱田さんみたいにいつも何も変わらずキラキラしている太陽みたいな性格を羨ましくなる事もある
「さみしい」「つらい」「悲しい」を発信できる人が羨ましくなる事もある
でも僕は僕でこれからもやっていこう
ところで・・・
菱田さんって本当にいつも変わらないのだろうか??
すごく気になって聞いてみた
「菱田さんって本当にいつも変わらないの?あるでしょ?」
そしたら
「あるよ!!!!!」
って返ってきた
どんな時なんだろう??
「面接の時!!!!!!!!!」
って言われた
待て待て待て
お前、いつ面接受けたんだよ!!!!!!!!!!!!
どっかに転職考えてんのかよ!!!!!!!!!!!!!!
やっぱり僕は菱田さんという人間は羨ましくない
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KIDO DAIKI
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