謎の密室トリック

今回の話の主人公はこいつだ

豊川にあるアチーブのオーナー後藤友弘

通称ごっさんだ

彼との付き合いは高校からなのでとても長い

高校から仲がよく今でも一緒にみんなでハワイとか行くと不思議な感じがする

なんかお互いに遠くにきたなぁって思ってしまう

僕たちが高校からの友達っていうのを知っている友人も多い

でも彼との出会いの話を今まであまりした事がなかった

それには理由があるのだ

ちょっと不思議な話だからだ

彼が密室トリックを使ったからなのだ

今まで僕は彼に

「あれってどうやったの？」

とは聞いた事がない

というか記憶力が皆無な彼が覚えているわけがないのだ

というか彼の記憶力が皆無なのは遺伝なのだ

僕は彼の母親に3度、会った事がある

1回目

高校の卒業式

進路が一緒だったので

「これからもよろしくね」

って言われた

2回目

彼の結婚式

「今日はありがとね」

って5000円くれた

問題なのが3回目だ

5年ぐらい前に豊橋の花火大会に一緒に行く日

なんかごっさんのお母さんがみんなを花火会場まで乗せていってくれたのだ

その時にはじめましての空気を出されたのだ

忘れてんじゃねぇよ！！！！！

お前んとこの息子は僕が死んだ時に代表して手紙を読むべき人間だぞ！！！！！！

このように遺伝で記憶力がないのではじめての出会いを彼が覚えているはずがないのだ

あれは今から20年以上前

高校2年生の修学旅行だ

僕たちの高校は自由な校風の学校でお金さえあれば入れたのだ

入試のテストは「両親の名前を漢字で書きなさい」だった

僕は100点だったけど彼は記憶力が皆無なので父親の名前を間違えて50点でギリ合格していた

僕たちの学校は2年生のときに修学旅行があった

場所は沖縄だ

自由な校風の学校だったので行きと帰りの飛行機はみんなで行くけど現地では4日ぐらいみんな自由にしてくださいって感じだった

みんな思い思いのことをして過ごすのだ

お金さえあれば入れる学校なのでホテルなんかもプライベートビーチがついているようなところでホテルから出ずに4日を過ごす人もいた

そのホテルでの最初の夜だ

さすがに自由な校風でも男女の部屋は別だった

いや、カップルなら一緒でよかったかもしれない

男子と女子は階が違ったのだ

男子の階の上が女子の階だった

男子は3階ぐらいだったと思う

部屋にはテラスがついていて下は崖だった

頑張れば上の階にテラスから上がれない事もない

ただ一歩間違えたら崖の下なのだ

でも思春期男子に怖いものはなかったのだ

僕は一緒の部屋にいた西岡と今は亡き工藤と上の階によじ登る決心をしたのだ

ただ上にしかいけない

テラスから横の部屋に飛び移るのも下の部屋に飛び降りるのもジャッキーチェンしか無理だった

だから戻ってくる時は女子の部屋を抜けてエレベーターで下に降りて入り口から戻らないといけない

だから僕たちは部屋の鍵をもってテラスから上に登った

完全にイーサンハントの気分だった

そして上の女子部屋に入ったら完全にお風呂に入っているところだった

完全にだった

そして侵入者がいるなんて思ってもいないので完全に女子は無防備だった

発見された時に

「なんで？！」

って言われた

そして西岡はヘアスプレーにライターで燃やされた

あの日から火傷に

「これでも一緒じゃない？」

って日焼け止めを塗り続けてた西岡の姿を生涯僕は忘れない・・・

そこからだ

僕たちは部屋に帰って鍵をあけた

そしたら

こいつが僕たちの部屋で寝ていたのだ

当時は名前も知らないこいつが寝ていたのだ

これが僕と彼との最初の出会いだ

・・・

・・・。

最初の出会いだじゃない！！！

お前、どうやって入ったんだよ！！！

下の階は一般客だった

横の部屋のテラスから飛び移るのはジャッキーチェンしか無理

お前、どうやって入ったんだよ！！！

この密室トリックの謎は今でも解き明かされていない・・・

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