大名古屋ビルヂングについて

「火曜日に名古屋に電車で行くけど一緒に行こうよ」

僕は友人に誘われた

僕はこの友人と日曜、月曜と食事をした

「名古屋は子供も一緒だけどね」

こう言われた

僕の友人は子供がいる

この２人にはいる

どちらもそんな感じは出さないのだが不意に子供の話になってそうだった・・・って思うことがある

「子供がディズニー行きたがっているから頑張ってる」みたいな・・・

僕の友人の中で

「結婚はいいもの」

という確率は広い公園で四葉のクローバーを発見する確率に似ている

しかし

「子供はいい」

というのはみんな言う

そして

「火曜日に名古屋に電車で行くけど一緒に行こうよ」

「名古屋は子供も一緒だけどね」

これには少し裏があるようにも思える

僕の友人の奥さんは日曜日を最後に産休に入った

なのでそんな中で少しは父親ポイントを稼いでおかないと食事などに出れなくなると思う

そして大抵、僕と一緒にいることが多いので一緒に禊(みそぎ)を終えさせてやるってやつであると思う

僕は男２人と子供１人という見る人が見れば素晴らしい光景を回避すべく僕たちの同期でもある菱田さん(女性)も誘った

そして

「朝、一緒にうちらも電車に乗るから菱田さんと一緒にお店に行く」

と伝えたら

「行きの電車は子供と２人で電車に乗りたい」

と断られた

僕と菱田さんは電車で行く意味に疑問をもちながらむかうことにした

金券ショップで乗車券を買うと安いということを聞いたので往復券を買った

僕は電車に詳しくないためとりあえず豊橋からのＪＲのチケットを買った

しかし僕の友人の後藤さんがいる豊川にはＪＲはとまらないようだ

名鉄しかとまらないらしい

※豊橋はＪＲも名鉄もとまります

これで帰りも別々ということになり本当に電車で行く意味がなくなった

電車に乗ると

ケータイをいじりだす菱田さん

そして

「Ｌってどっち？」

って聞かれた

ＬとＲがわからないらしい

僕たち世代はＬとＲを初代のマリオカートで覚える

隠しコースを出すコマンドがＬ、Ｒ、Ｌ、Ｒ、Ｌ、Ｌ、Ｒ、Ｒ、Ａだからだ

僕はこれで覚えた

もしくは野球のポジションで覚える

レフトとライトである

僕は野球というものにまったく興味がない

軽いトラウマがあるからだ

僕が電車に乗った豊橋駅

豊橋の中心である

昔から豊橋に住んでいる人はこの駅を中心として駅より東側に住んでいる人を“街の子”と呼び西に住んでいる人は“それ以外の子”になるのだ

僕は最西に住んでいる

なので“かなりそれ以外の子”でありこの地域の人は村の集まりが生きがいである

※僕調べ

校区の運動会に全てをかけているのだ

そして子供たちは年に一度のソフトボール大会に全てをかける

優勝したら地域ででかい顔をできるからだ

僕はその風習が嫌でソフトボール大会には参加しなかった

しかし小５のときに母親が子ども会の役員になってしまった

「お願いだから。ソフトボール大会に出て。」

母から頼まれたら断るわけにもいけない

僕は出ることにした

それまで野球というものに接点がなかった僕は家でグローブを探した

３つあった

普通のグローブ、左利き用のグローブ、何だかかっこいいグローブ

僕は何だかかっこいいグローブをもって練習にいった

そしたら

「キャッチャー希望か！！よろしく！！！」

って言われた

何だかかっこいいグローブはキャッチャー専用のグローブだったのだ

これでみんなが嫌がるキャッチャーになってしまった

これがトラウマになってソフトボールや野球が嫌いになった

それはさておき、菱田さん、２人で電車なのにイヤホンやめて！！！！

聞こえてねぇのかよ！！！！！

今の時代は

これで音楽が聴けるらしい・・・

僕、こんなハイテクなもの、持ってねぇよ・・・

僕は車窓を眺めることにした・・・

僕たち東三河の人間はいつも言うが「名古屋」にまとめられる

だから「名古屋」を忌み嫌っている

反骨精神のみで生きている

豊橋から名古屋は遠いのだ

新快速でも豊橋(とよはし)、蒲郡(がまごおり)、岡崎(おかざき)、安城(あんじょう)、刈谷(かりや)、大府(おおぶ)、金山(かなやま)、名古屋(なごや)である

電車の中では名古屋人の悪口を考えていたらあっという間に名古屋に着いた

ここで後藤親子と待ち合わせ

いたっ！！！

先日、年長のおねぇさんに

「あたまがキノコみたい」

って言われて傷心で髪型を変えた後藤息子と後藤さんである

一張羅(いっちょうら)を着た親子だ

僕たちは大名古屋ビルヂングに行こうと思っていた

僕がこのところ散々、名前がダサいってバカにしていたところだ

僕はこのダサさになじむためにスウェットとキティちゃんサンダル、略してキティサンでここに来てヂナーでも食べてやろうと思っていた

一張羅の親子・・・

ダセェよ！！！！！！！

そして中に入った

すごい人・・・

愛知県民の特徴として新しいものができたらめっちゃ混むのである

とりあえず行くのである

行くことがオシャレであり自慢できることである

愛知県民を構成しているものは“見栄”と“プライド”と“ブラックサンダー”なのである

イオンなんかができたら人が押し寄せてその地域の地盤が少しだけ沈む

これが愛知県なのだ！！！！！！！！

※僕調べ

でもここで僕は思った・・・

めっちゃオシャレだしめっちゃ混んでる・・・

※エスカレーターまでの列。平日です。

まず僕たちは食事をとることにした

なんかオシャレな

“世界ビール博物館”

昼からビールは電車の特権である

ここで僕は存在が消される・・・

入り口の店員さんが

「大人２人、子供１人でよろしいですか？？」

これである

そして僕を発見するなりおばけでも見たような顔で

「すいません！もう１人いらっしゃいましたね！！」

これである

そういえば素敵な３人家族に見えるよな・・・

なんかビールの種類が沢山あったが

バカ舌な僕には違いがよくわからない・・・

とりあえず乾杯！！！！！

ここで新しいお店、特有のやり切れてなく逆に空回り現象が起こった

「いらっしゃいませ！！！！！！」

の声はビルヂング内に響き渡るぐらいだったが注文の声が聞こえない

「アラジンのランプです。さすってみますか？」

をめちゃ恥ずかしそうに言う

僕は子供の死んだ目をはじめて見たのである

とりあえず

食べる！

食べる！！

食べる！！！

ここで後藤の子育て論が・・・

いたってシンプル

「子供なんて勝手に育つ」

これなのである

本当に自由奔放に大きくなっていると思う

きっと無人島に１人流されてもたくましく生きていけるような頼もしさがある

ここで子供なんて勝手に育つって言った親が１人１人の名前を聞いていった

後藤「これは？」

息子「かづちゃん！！」

後藤「これは？」

息子「きど！！！！」

呼び捨てやめれ！！！！！！！！

僕と後藤息子の間には数年前まで確執があった

それは後藤息子が小さいとき

お寿司を３人で食べに行った

僕は間違えていつも奥さんが座っている助手席に座ってしまった

後部座席でギャン泣きされたのだ

この件以来、後藤家では子供が悪さをしたら

「木戸が来るぞ！！！！」

でいい子になったらしい

これ以来ずっと僕は“きど”である

そして最後に後藤さんは自分を指差して

後藤「これは？」

息子「・・・。」

後藤「・・・。」

後藤子育て論では子供は立派に育つが名前は覚えてもらえないらしい・・・

ここから買い物にすることにした

僕は気付いた・・・

僕は子守役でここにいるのではないか？？

後藤さんと菱田さんは買い物をしている

僕はというと・・・

後藤息子と一緒に壁に描かれている絵の鳥の数を数えるという貴族の遊びのような事をしたり

「肉食恐竜は草食恐竜より強い」

という明日の接客からすぐにでも役に立つような情報を教えられたりした

そして僕たちの遊びより後藤さんたちの買い物のほうが先に飽きて高島屋の北海道物産展に行くことになった

ここで後藤息子は自分で自分にとてつもないミッションをかしてしまったのだ・・・

『白いところは歩いてはいけない』

これが彼を苦しめた

みんなよりも倍の時間、倍の歩行距離になるのだ

これは僕も若かりしころにやった覚えがある

レベルが上がってくると親の命を背負うようになる

『白いところを歩いたら親が死ぬ』

これである

ここまでのミッションになるには相当な鍛錬がいる

そしてみんな大人になっていくのである

物産展に着いたら親からのミッションが待っていた

『試食の前に立て』

これである

子供が試食の前に立つともれなくもらえれる

仲間のぶんまでもらえる

だから

「次はここに行こうか？？」

と、様々な任務につかされる

そして後藤の息子には他の子供たちにはない特殊な能力が備わっている

きっと神が与えたスペシャルスキルである

それは

“試食を美味しそうに食べない”

これである

これにより買わなくてもサッと次の任務にうつることができる

彼は天才である

そして最後に報酬が与えられた

戦いを終えたあとの戦士の顔はどことなく大人に見えた

僕は

肉を食べていたときにつけていたビニール手袋をとるのを忘れていた

後藤息子よ・・・

僕たちのような大人になるなよ・・・

てか、大名古屋ビルヂングはオシャレだった

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