言葉は宙を舞って彼方に消えていった

“中傷投稿に「いいね」を押した人を提訴”

こんな記事を目にした

どうなるかはわからないけど(きっと難しいと思うけど)行き過ぎてしまった世の中にブレーキをかける動きだと思う

「自由であるはずのＳＮＳに制限がかかる」

こういった意見もみた

そうではないと思う

自由を履き違えてしまった人のせいで制限がかかるかもしれないのだ

でもこれは同調圧力が重なり言葉が軽くなってしまった結果だと思う

僕たちの仕事も言葉が大切な仕事の１つだ

例えば“髪のダメージ”という言葉

今、世の中に溢れているし美容師もよく使うと思う

そして少しだけ言葉が軽くなってしまった

「ダメージしてるからトリートメントしましょう！」

これが当たり前に言える世の中になりつつある

それってとっても怖いと思う

こういった目の前の出来事もあれば遠くの出来事もある

自分と直接関係ないものにも出会う世の中

そして責任感なく参加できる

それはいい事でもあって悪い事の側面もある

その側面が膨らんできてしまったのだ

人には大切な人生がある

その人生を指一本で狂わせてしまうことも出来るのだ

それも自分と直接関係ない人を・・・

これが怖いのだ

面とむかって言えない事をＳＮＳでは普通に言っている

そして同調圧力がかかる

指一本で簡単に同調できるのだ

「あなた嫌い」

なんて面とむかってよっぽど言えないと思う

でもＳＮＳではその言葉が言えるような雰囲気がある

それってよく考えると恐ろしい

受け取り側はＳＮＳだからこの人は言えるんだ・・・とはなかなか思えないと思う

ＳＮＳの感情は受け取り側なのにそれが無視されている

そして言葉はどんどん軽くなる

「好き」ってこんなに軽い言葉だったのだろうか？

「嫌い」ってこんなに軽い言葉だったのだろうか？

ハートはただの記号になって笑ってもないのに「笑った」と投稿する

どんどんどんどん軽くなる

そしてそんな言葉は宙を舞って彼方に消えている

僕が放った言葉も宙を舞い

僕が受けた言葉は心に残る

みんなそうだと思う

そろそろ消えない言葉を使っていきたい

いや、今だって消えてはいない

相手には残っているのだから

もっと言葉に責任をもっていきたい

ＳＮＳに責任をもっていきたい

「ＳＮＳってこんな感じじゃなかったのにな・・・」

他人のせいではない

こうしてしまったのは僕たち１人１人だ

もっときっと素敵なカタチがあると僕は思っている

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